シニア世代と保険の見直し
定年を機に、ライフプランを見直し、リタイアメントプランを作成する場合、保険の見直しをどう考えたらよいのかという相談を受けます。
私たちが、日々の生活の中で、遭遇する可能性のあるリスクには、色々ありますが、殆どの人に共通するリスクは、生命のリスク(自分が病気や事故で死亡した時、残された家族が生活費や子供の養育・教育費用に困る)、病気のリスク(病気になって医療費や入院費の負担に困る)、火災のリスク(住まいや家財が火災になり再取得の費用が必要)でしょう。
このようなリスクに対する備えとしての保険を60歳で定年退職し、年金受給までの数年間再雇用などで働き、リタイアした人のケースについて考えて見ましょう。
生命のリスク(自分が病気や事故で死亡した時、残された家族が生活費や子供の養育・教育費用に困る)について考えてみましょう。
60数歳でリタイアした場合、お子様は殆どのケース就職し、場合によっては結婚もしているでしょう。また定年退職金も貰い、厚生年金などの受給も始まっているわけですから、本人が死亡したとしても配偶者には、遺族年金が支払われます。それ故、リタイア世代には、生命のリスク即ち生命保険の死亡保障額は、殆ど必要ないといえるでしょう。
次に、病気のリスク(病気になって医療費や入院費の負担に困る)について考えて見ましょう。年齢が高くなると病気になる可能性も高いので、医療保険への加入は絶対必要だと思いがちですが、例えば63歳で医療保険に加入すると入院日額7000円、1入院120日型の保険で、毎月の保険料は10,000円程度になりますから、平均余命まで生きるとすると約20年間、合計240万円程度の保険料を払うことになります。夫婦二人なら500万円以上になります。
一方、大きな病気になり、亡くなるまでに通算200日入院し、入院日額の50倍程度の大きな手術を2回受けたとしても、それに支払われる入院給付金+手術給付金=140万円+70万円=210万円です。最近の医療技術の進歩・健康保険財政の問題により、入院期間は短くなっています。開腹手術が内視鏡や腹腔鏡下での手術も可能となり、入院期間も三分の一程度に短くなっています。ある程度の貯蓄があり、病気になった時の備えとして確保しておけば、必ずしも医療保険に加入する必要はないともいえるでしょう。
最後に火災のリスク(住まいや家財が火災になり再取得の費用が必要)や災害のリスクです。リタイアしている世代にとつて、火災や災害で、我が家をなくしたり、大きな修理が必要になると老後の生活設計が全く狂ってしまいます。火災保険や地震保険の補償の範囲、加入条件をもう一度確認しておくことが必要です。
保険は、何かあった時の備えですが、全てのリスクを保険でカバーしようとすると多額の保険料が必要となり、年金からの負担は厳しいものがあります。何かへの備えとしてある程度の貯蓄を残し、保険は出きるだけ絞って加入するのが良いのではと思います。
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